原文:wiredvision.jp/news/201001/2010012121.html
米国人の映画制作者Dan Woolley氏は、ハイチで貧困についてのドキュメンタリー映画を撮影しているときに地震と遭遇した。同氏は、iPhoneのおかげで九死に一生を得た。
MSNBCの記事によると、瓦礫の山に埋まったWoolley氏は、まずiPhoneを使って周囲を照らし、周囲の写真を撮影して、安全な場所を検討した。エレベーターシャフトに避難した同氏は、iPhoneの救急アプリを見て包帯や添え木のあて方を学び、頭部の傷からの出血を止血した。
アプリには、ショック症状が起こりそうであれば眠ってはならない、という指示もあったので、Woolley氏は目覚まし時計の機能を使って20分ご とに音を鳴らすように設定した。フランス人のレスキュー隊が同氏を救出したのは64時間後だった。[急速な出血(1/3程度以上)の時は、循環血液量が減 少し、十分な血圧が保てなくなるためショックに陥る]
このケースは、iPhoneや他のスマートフォンが持つ大きな社会的意義を明確にするものだ。ネットへの常時接続、多様なアプリのおかげで、人は「全てを知り、いつもオン状態にある」存在になりうる力を持ち始めているのだ。
読者によると、Woolley氏が使ったのは『Pocket First Aid and CPR』(ポケット版救急法と人工呼吸法)だという。リンク先はiTunesアプリだが、ユーザーコメントには、同氏自身と見られるユーザーから次の書き込みがある。
「地震が起きたときにハイチのモンタナ・ホテルに閉じ込められた私は、このアプリケーションを見て、大きな出血とショックに対処することができた。64時間後に救出されるまで、私が生きるのを助けてくれた」